山酒4号(又の名を「玉苗」)という酒米は、山田錦と金紋錦を交配した酒米。
金紋錦は、山田錦とたかね錦を交配させた若々しくフルーティな味わいを持つ酒米で、長野県を起点にじわじわ脚光を浴びている酒米で、「山田錦と金紋錦を親に持つ酒米、超気になる…!!」と山酒4号を使った日本酒を探し回っておりました。お世話になっている酒屋さんが山形県・米沢市 新藤酒造さんの山酒4号を使った「極華 裏・雅山流」1本だけ仕入れていただきました。
雅山流の「裏」とは酵母による自然のアルコール発酵だけでなく、「人の手によって外からアルコールを添加している」ことを意味しています。原材料名で表記している「醸造アルコール」にあたり、味わいにキレを生み出す役割を果たしています。とはいうものの、フルーティな酒米を親に持つ山酒4号をアル添にするとは…。直感で「生の純米酒で醸すのがこの酒米には合っていそう。」思っておりましたため、何とも隙を突かれた感覚です。
早速酒屋さんの元へお邪魔し、その場で一口試飲させていただくことに。味わいは、最初のキレの残像に、複雑に華がブワッと咲くような何とも一瞬の飲み口に物語が通り抜けていく感覚でした。今回のものでは山酒4号特有の果物の甘みに気づくことは難しかったのですが、美しい変化球に出会えたと思っています。その夜、スーパーで値引きされたお寿司セットを手に取り、お家で夜ご飯とともに再度いただきました。食べ合わせはといいますと、玉子もエビもマグロも、特にイクラも良かったのですが、正直、お酒の華やかさが独り歩きしてしまい、 「もっと相性の合うご飯があるはず…!」とその翌日、冷蔵庫の中に合ったスンドゥブを取り出し、再び裏・雅山流をいただきます。
これでもか!という程、相性バツグンでした…。スンドゥブの旨辛さを、裏・雅山流のキレがさらにふんわり掻き立てるような良い働きをしてくれました。醸造アルコールが広がる唐辛子の辛さの波に乗っているため、寿司よりも調和している気がしました。
旨辛を引き立ててくれる役割をお持ちの造りでした。山酒4号の本来の甘みが隠し味なのかしら。
とっても勉強になりました。ごちそうさまでした…!
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