国際利酒師になるには?〜試験内容と取得までの道のり〜

日本酒を知る

こんにちは!nanaです。

日本酒について興味を持ち始めて、「利酒師になれたらちょっとかっこいいかも…!」と思い始めた時、

・利酒師ってそもそもどんな資格?
・利酒師ってどんな試験内容なんだろう?合格難易度は高いの?
・利酒師、調べてみたけど受験料とか諸々高い!!

といったお悩みがあるかと思います。

私も、日本酒に興味を持ち始めて「なんかかっこいい資格!」と思って調べたものの、費用面を考えて資格をあきらめておりました。

そんな時におすすめしたい資格が国際利酒師。一言で表すと、外国語で取得する「利酒師」のことです。

私もこの資格を2021年10月に受験コースで臨み、2021年12月に合格・取得しました。

この記事では、国際利酒師の取得方法、受験内容、メリットを解説します。

国際利酒師の受験費用

国際利酒師を取得する方法は、通信コース、会場受験、オンデマンド受講コースの3種類あります。(2022年6月5日現在)日本語で取得する利酒師ですと、受講料で10万円程度+入会金や維持費がかかりますが、国際利酒師は年会費や入会金などは必要ありません。ですので、会場受験コースですと、一般で受験料(33,000円)とテキスト代(3,330円)の費用になります。

通信コース会場受験コースオンデマンドコース
受講言語英語、中国語独学英語と日本語
受験言語英語、中国語日本で受験:英語、中国語
提携校で受験:
英語、中国語、フランス語、
スペイン語、韓国語
英語
取得期間最短3ヶ月1日1日
費用一般:73,000円
FBO認定会員:36,500円
一般:33,000円
FBO認定会員:16,500円
一般:61,000円
FBO認定会員:30,500円

① 通信コース(最短3ヶ月)

お住まいの地域が試験会場が遠い方や自分のペースで勉強したい方向けにおすすめな取得方法です。

申し込み後、教材と資料が届き、決められた期日までに第1回分の課題を提出し、添削員の採点・合格後、第2回分、第3回分も同様に提出する進め方となります。1~2ヶ月に1回課題提出をする計算で、3ヶ月〜5ヶ月が取得期間の目安となります。

② 会場受験コース(1日)

自分で教材を購入して自主学習し、指定されている試験日を選んで取得する方法です。

日本で受験する場合英語か中国語のみ可能ですが、海外にお住まいの地域によっては英語、中国語、韓国語、フランス語、スペイン語で受験することができます。

日本の試験会場は東京都と大阪府の2つです。

教材は通信コースともに、日本酒サービス研究会・酒匠研究連合会(SSI)が出版「日本酒の基」を使用します。「日本酒の基」のテキストについてはこちらからチェックしてみてください。

③ オンデマンドコース

受講申し込み後、講義動画をベースに自分のペースで自主学習を行い、在宅受験か会場受験を選択し、取得するコースです。受験期限は申込日の翌月から6ヶ月以内と定められておりますが、通信コースと会場コースが掛け合わさったイメージで、講義動画で勉強できたり、在宅受験だと自分が好きなタイミングで試験日を設定することができる点が魅力となっています。

試験内容

利酒師、国際利酒師とは、美味しい飲み方や楽しみ方を提案するプロということを証明する資格です。ですので、日本酒ソムリエとして、日本酒の種類と食べ合わせだけでなく、日本酒の原料や歴史、日本酒の性質に合わせたグラスの選び方など幅広い知識が必要です。

受験コースの試験内容は以下の通り。

第1次試験 (選択式、一部記述式:50分)
- 日本酒に関する専門知識
- 種類をはじめ飲食全般における基礎知識

第2次試験 (選択式、一部記述式:50分)
- 日本酒のサービス、セールスプロモーションに関する設問(季節香味特性別分類別の企画立案を含む)

第3次試験 (選択式、一部記述式:50分)
- 日本酒のテイスティングを通じた品質の評価、個性の抽出(香味特性別分類含む)

こちらは全て記述となっており、各試験100点中70点以上で合格となります。

東京会場では1ヶ月に1、2回のペースで開催されています。(自分が準備できた!と思ったタイミングで申し込みをできる頻度で開催されているのは嬉しい…!)

筆者の勉強方法

試験内容は全て「日本酒の基」から出題されます。筆者は毎日1時間、そのテキストと例題資料を使って勉強する、を2ヶ月半続けました。

日本酒の基 NIHONSHU-NO-MOTOI The Textbook for INTERNATIONAL KIKISAKE-SHI【Ver.English】

こちらからSSIページが掲載している例題をチェックできます。

出題形式は上記に載せた例題通り出題されますが、例題は正直かなり簡単です。実際の第1次試験の内容は、思ったより広範囲で、ニッチなところからも出題されました。(覚えているものだと、”what are the two unnecessary components in sake brewing water?” や、日本酒以外のアルコール飲料・嗜好品とその適切な説明文を選択する、などが出題されました。) 「合格率は80%前後」というサイトをどこかで拝見したことがあるのですが、慢心せず、満遍なく隅々まで勉強しないと難しいでしょう。

筆者は「日本酒の基」に書き込み、例題資料でわからなかったところをノートにまとめたり、教本だけでは理解できなかったところを日本語サイトで調べたりしながら1日10ページのペースで進めました。多少専門用語はありますが、英文の難易度は肌感で高校1〜2年レベルですので、英語に強い抵抗感がなければ是非おすすめです。

第3次試験のテイスティングについては、本番は薫酒、爽酒、醇酒、熟酒の4つの中から2種類がテーブルの上に置かれ、特徴を味覚、視覚、嗅覚から分析し、タイプを選びます。

勉強方法として、酒屋さんで利酒をしたり、協会から取り寄せて勉強するなどは特にしませんでしたが、家族と日本酒を楽しむ際に意識しながら飲んで、ノートにまとめたりしてテイスティングの対策をしていました。本番は、確認のために飲めば飲むほど不安でしたが、それぞれの特徴と初めの直感を信じ、なんとか乗り切りました。

今こそ、国際利酒師を取得をおすすめしたい!

中央酒造組合中央会によると、コロナ禍の影響で国内出荷が低迷する中、輸出は引き続き好調で、日本酒の輸出金額総額が2009年〜2021年の間で12年連続で最高記録を達成しています(記事はこちら)。また、最近は世界経済フォーラムが報告した、2021年の旅行・観光の魅力度ランキングでは、日本が対象117カ国・地域の中で1位というニュースが話題となっており、今後多くの海外の方が観光客として訪れる期待が高まっています。

そんな中、国際利酒師を取得している方は、英語でも世界でたった1,700名。(2021年2月1日より 記事はこちら) その中から日本人で、国際利酒師を取得している方はさらに少ないと思います。

これらの理由から、自国の文化をプロとして外国語で提案する能力を持った人材は、今後益々需要が高まりそうです…!

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